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【なぜ男たちは12小節の泥沼から抜け出せないのか?爆音と哀愁が交錯した1960年代ブルース・ロックの魔力】 夜も更けて、安物のスコッチをグラスに注ぎ、レコードの針を落とす。スピーカーから漏れ出すのは、歪みきったファズの唸りと、魂を削るようなチョーキングだ。 正直に告白しよう。世間がスマートなハイレゾ音源やAIが作った心地よいプレイリストで整っているこの令和の時代に、筆者は今夜もアンプのノイズまみれの泥臭い12小節に浸り、通勤電車で「いっそ会社を辞めてテキサスでギターを担ごうか」と真顔で妄想しては胃薬を飲んでいる。大人になりきれないおじさんの哀しい性(さが)である。 さて、音楽メディア『Blues Rock Review』が、実に心憎い特集を組んでいた。「1960年代の忘れられないブルース・ロック10選(10 Unforgettable Blues Rock Songs of the 1960s)」と題されたその記事は、なぜあの時代にブルースという名の伝統芸能が、世界を揺るがす巨大な怪物へと進化したのかを鮮やかに振り返っている。 …

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